#02 39歳の誕生日、しこり発見

つい先日のことである。30代最後の誕生日を迎え、私は「あー今後は40に差し掛かるんだなあ」などとぼんやり思いながら布団に寝転がっていた。この歳にもなると自分の誕生日については特に何の感慨も無くなってくるのだが、それでも友人が時期を見計らってちょっとしたお祝いをしてくれたり、プレゼントが届いたりして割とハッピーな誕生日だったと思う。前半部分は。

そしてふと、なんとなく。本当になんとなくだった。夜、布団に寝っ転がりながら自分の胸をムニッと触った。触ったと言うより、掴んだと言った方が良いか。いつもの「どうして私にはおっぱいがあるのだ」「こんなもの、無くていいのに」という自分の身体に対する性別違和感の表れ、その一端だったように思う。掴んでこのまま引っぺがすことが出来たらどんなに良いか。そんな気分だった。

そしたら、だ。左の胸、それも随分と分かりやすい外側の位置に「しこり」があることに気付いた。「ん?」「なんだこれ?」異変を察知し、何度か確かめる。そしてすぐ直感で「これちょっとヤバイんじゃないか?」と思った。
偶然発見したその「しこり」は、それなりに大きさがあるもので。指で触ってすぐ分かる程度の固さを持っていた。いつの間にこんなものが、と思いながら慌ててスマホを手に取り近場で胸のしこりを診察してもらえる病院を探した。

同時に胸のしこりの特徴やそれから考えられる病気なども調べたが、自分の感覚ではこのしこりがどんな病気のものなのかは全く分からなかった(素人なので当たり前ではあるが)。しかし嫌な予感は確実にする。これは、なるべく早く病院に行くべきだ。

私は20代の頃、よく職場の健康診断で乳腺が引っ掛かったりしていた。当時は「嚢胞があるけれど、それほど気にすることはない」と言われていたのだが、以前より乳がんに罹患したり胸に溜まった水を注射で抜いたりしている親戚が居たため、どうにもこうなると不安で仕方がない。
(自分ががん家系、リスク家系であることは若い頃から自覚していた。しかし、そのぼんやりとした自覚ですらまだまだ甘かったのだと今にしては思う)

不安を抱えながら必死に病院を探し、胸のしこりを診る診察科がいわゆる婦人科系ではなく「外科」であることを突き止める。乳腺外科というものだ。
調べると地区内に2件ほど乳腺外科の専門医が居る病院がヒットした。ひとつは乳腺外科専門の病院で、患者のレビューもそこそこあり巨大ではないが良い病院なんだろうなぁ……という印象の所。もうひとつは色んな診察科がある大きめの総合病院だ。

しかし前者の「良さげな病院」は今すぐ予約を入れても診察が2週間待ちだった。そんなに待ってなんか居られない、すごく嫌な予感がする……こういう時は、自分の直感を信じた方がいい。そんな訳で、私は後者の総合病院に電話をかけ「胸にしこりがあるんですけど……」と相談した。すると、その日は土曜日の夜だったのだが、すぐに週明け月曜日に外科で診てもらえることになった。

病院の迅速な対応に感謝しつつ、大したことないといいなと思いつつ。
ひとまず、基本的な乳腺の検査をすることになったのであった。

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