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#32 浸潤性小葉癌(小葉がん)って何ですか

手術後の病理検査で出て来た「ILC」「浸潤性小葉癌」の話。 始めに断っておくが、浸潤性小葉癌については調べてもあまり情報は出てこなかった。「患者さんのための乳癌診療ガイドライン2019年版」など乳がん関係の本も読んでみたのだが、二言、三言程度の説明があるくらいでこれといった情報はなかった。 「小葉がん」というのがとりあえずどんなものかを解説してくれている論文(PDF)を見つけたので貼り付けておく。30年も前の大変古い論文なのだが、病理のあらましを知るくらいならちょうど良いだろうと思う。 乳腺小葉癌の臨床病理学的検討 https://www.jstage.jst.go.jp/article/ringe1963/54/7/54_7_1712/_pdf また、最近の情報となると京都乳癌研究ネットワーク(KBCRN)の会議資料内にあるリレーミニレクチャー「特殊乳癌の病理」という、スライドをPDF化したものが大変親切で分かりやすかった。 京都乳癌研究ネットワーク(KBCRN)>KBCRNについて https://www.kyoto-breast-cancer.org/jp/about/ 「特殊乳癌の病理」第1回 Invasive Lobular Carcinoma 浸潤性小葉癌 https://www.kyoto-breast-cancer.org/jp/regular/pdf/lecture01.pdf (一部 切り取られた乳房の検体の写真などが出て来る ので、苦手な人は注意) とりあえず、すぐに頭に入って来た浸潤性小葉癌(小葉がん)の情報としては、 ・特殊型乳がん(希少がん)である ・乳がん全体の5〜15%程度の発現(特殊型乳がんとはいえ、その中では一番の多数派) ・(今のところは)乳がんの中の多くを占める非特殊型である「浸潤性乳管癌」に準拠した治療方法を取る ・「浸潤性乳管癌」と転移しそうな場所が若干違う ・がん細胞が細かく散らばる傾向があるので部分切除ではなく全摘がおすすめされることもある ・しばしば両側性 ・古典型と多型型というのがある ・乳管癌、小葉癌の別は予後に影響を与えない(特殊型だからと言って何か身構える必要は「今のところは」無い) くらいだろうか。 なお、私は治療開始前の針生検時には「IDC」すなわち「浸潤性乳管癌」であると判定されていた&主治医も部分切除...

#31 手術から一ヶ月、病理検査の結果が出た

乳がんの手術が終わって退院して自宅に戻って来て、一ヶ月ほどが経過した。割とあっという間の一ヶ月であった。その間何をしていたかと言うと、ひたすらリハビリをしたり、病理検査結果を理解するための情報収集・勉強などをしていた。 意味不明な手術後の病理検査の結果 全摘した左胸をスライスして何だかんだ調べた結果である「病理組織検査報告書」と言う書類をもらったのだが、専門用語というかアルファベットの略語が分からな過ぎて色々調べた。検査結果の順にメモしていく。 「IDCかILCか鑑別するためにE-カドヘリンの免疫染色を行った」 「腫瘍細胞は全体がほぼ陰性」「本検体内では、ILCの所見」 →IDC:「Invasive Ductal Carcinoma」の略、「浸潤性乳管癌」のこと。 →ILC:「Invasive Lobular Carcinoma」の略、「浸潤性小葉癌」のこと。 →E-カドヘリン:上皮細胞の接着分子であり、様々な上皮の構築維持に関与しているタンパク質。浸潤性小葉癌だとこれが働かなくなり、免疫染色においては例外を除いて陰性となることがほとんど。 「標本内では腫瘍細胞は孤立散在性で小葉癌様」 →孤立散在性:小葉癌だと散らばる傾向がある →小葉癌:浸潤性小葉癌。乳がんはその90%ほどが「浸潤性乳管癌」であるという。浸潤性小葉癌はその他の10%にあたる「特殊型」の乳がんであり、その特殊型の中では一番多いタイプ(乳がん全体から見ると約5%を占める、近年増加傾向にある)。 「術前療法の効果:Grade 2a」 →Grade 3でいわゆる「完全奏功」だと聞いた。前向きに解釈すれば、手術前の抗がん剤等は「まあまあ効いた」ということか。 「残存成分の評価でpT1c」 →pT1c:リンパ節転移陽性 「リンパ節転移:1/ 15 (3. 5mm) ypN1a」 →腋窩リンパ節郭清でリンパ節を15個取った、その内の1個に転移していた。 →ypN1a:最大径が2mmを超えるリンパ節転移が1-3個残っていた、という意味。 「Ly1, V0」 →Ly1:リンパ管侵襲の有無、評価。Ly1はリンパ管侵襲有り。 →V0:血管侵襲(静脈侵襲)の有無、評価。V0は血管への侵襲が無い。 「NA3, M1,TF3 → NG2, HGII」 →NA3:N3aと同義か。所属リンパ節への転移の状態を指す。N3aは鎖骨下...